イノベーションには明確なビジョンが不可欠

201963 東京: 事業のデジタル化に向けて多くの保険会社が野心的な目標を設定しているにも関わらずIT部門の予算は依然として古いITシステムの保守に集中している傾向にあります 以下は、Sollers Consulting(ソラーズ・コンサルティング)14カ国から300人を超える保険会社の経営層を対象に実施した調査の回答によるものです

保険業界はデジタル化において大きな進歩を遂げています。そして業界のIT部門は、これら変化を牽引する役割を担ってきました。インシュアテックや他のプロバイダーとの協力モデルに従い、新しいテクノロジー技術を採用し、顧客にとって直感的で分かりやすいアプリケーションを日々生み出しています。Sollers Consulting主催の国際カンファレンス “Innovation in Insurance” では、保険業界の300名以上の専門家や経営者層の方々対象に、業界におけるテクノロジーとイノベーションの役割についてアンケートを実施しました。 その結果、最も注目されているテクノロジー分野は、以下の3つでした。

– オートメーション

– AIの活用

– オープンAPI

オートメーションについては、今後5年間で自社においてどの程度の自動化が達成可能かという質問に対し、全体の38%が30〜50%、26%が50〜70%、そして21%は70〜90%の自動化達成を見込んでいると回答しました。30%未満と回答したのは、11%のみでした。

Sollers Consulting代表取締役のミハウ・トロヒムチュクは、次のように述べます。 オートメーションはヨーロッパの全ての保険業界において、非常に重要視されています 保険ビジネスには自動化を要さないプロジェクトはほとんどありません。 オートメーションはしばしば最先端の保険会社によってのみ達成されうるものと捉えられることがありますが実はほぼ全ての企業に共通する課題です 弊社が手がけるプロジェクトでも、オートメーションのもたらす成果は極めて大きいと言えます。」

 AI(人工知能)とオープンAPIへのフォーカス

アンケートの結果によると、今後5年間で最高の価値をもたらすと期待されているテクノロジー分野は、AI(37%)とオープンAPI(35%)で、デジタル化戦略の鍵として広く認識されていることがうかがえました。その他ブロックチェーン、IoT、ロボティクス、クラウド・コンピューティングについては4~9%という結果が出ました。

Sollers Consulting代表取締役マーチン・プルータは、AIの重要性について、「ビッグデータデータ分析、機械学習、AI活用は、保険業界で最も重要な戦略的目標の1です。多くの企業で既に、損害査定不正検知また顧客とのコミュニケーションを自動化するためにAI導入しています。 また、ビジネスインテリジェンスデータ分析にも、近年注目が集まっています 今後はよりAIへの投資が増加すると予測されます Sollers Consultingは、機械学習に基づいたユースケースを開発することで、弊社のお客様に、短期間での改善と成果実現を可能にしてきました。」と説明します。

 加えて、Sollers Consulting取締役ジェゴシュ・ポドレシニは、次のようにコメントします。 「保険業界の企業の間では、異業種のパートナーとの繋がりを積極的に持とうとする傾向が顕著になりつつあります。新しいデジタルエコシステムやより革新的なテクノロジーのプロバイダーとの関係構築が盛んに行われていますこうした繋がりを可能にするため、多くの弊社のプロジェクトでは特に、API重要な役割を果たしています。

デジタル化が保険業界にとってますます重要になるにつれ、IT部門は新しい役割を担いつつあります。 新しいツールを生み出すだけでなく、新しい働き方の可能性を提供するようになったのです。 イノベーションとは何かという問に対し、新しい組織文化の創出と回答したのは30%、ビジネスモデルの刷新と回答したのは24%、新製品・サービスの提供は18%、業務プロセスの変化には11%という結果が出ました。

「イノベーションは単に目の前の問題を解決するだけではありません。ほとんどの保険会社は、ビジネスモデルあるいは組織文化における抜本的な変革を求めています。」とトロヒムチュクは強調します。

レガシーシステムに縛られがちなIT予算

一方、IT部門には予算の制約があります。 アンケートに回答した56%が、全IT予算のうちわずか10〜30%しかイノベーション投資に充てられていないと答えました。イノベーション投資にIT予算の40%以上を費やしていると回答したのはわずか13%でした。

ポドレシニはこの点について、こう説明します。「イノベーション投資への意欲があると言っても、多くの保険会社では現状、IT予算既存ビジネス継続、つまり現状維持目的に集中していることがうかがえますまずは その構造を変えることが重要です。

この調査ではまた、イノベーション経費のモニタリングの度合いについても興味深い結果を見ることができました。約50%が、イノベーション向け支出の管理について、定期的でなかったり、曖昧だったりと未だ体制が不十分だと回答したのです。 十分にモニタリングできていると答えたのはわずか17%でした。

「イノベーションには、より明確なビジョンを持ち、その効果的な実行に向けたモニタリングを徹底することが不可欠なのです。トロヒムチュクは、現在のイノベーションへのアプローチにはまだまだ改善の余地がある、と指摘した上で、次のように締めくくります。「イノベーションは、人々のアイデアが結びつくことができる環境を創出することから生まれます。 それは、単にイノベーション部門を創設したり、インシュアテック企業と提携するだけでは不十分です デジタル変革とは長いプロセスであり、それには新しい組織文化と明確なビジョンが必要です