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ロンドンマーケット:損害サービス業務のプロセス改善
5月 08, 2024 ロンドンマーケット , 事例紹介 , Guidewire導入

お客様について

アメリカに本拠地を置き、グローバルに事業を展開している世界でも有数の損害保険会社です。ロンドンマーケットにも進出し、特殊保険を取り扱っています。

 

プロジェクト目標

すでに導入済みのGuidewire ClaimCenter©を、ロンドンマーケットでの保険金支払処理業務に活用することがプロジェクトの最大の目標でした。

プロジェクト開始前に使用していたのは老朽化したシステムで、市場のレガシーシステムに典型的な問題を抱えていました。 古いプログラミング言語が使用されていたため、メンテナンスへの大きな負担や機能拡張にも限界が見られました。また、適切なデータ検証が行われておらず、システム内のデータの質にも問題がありました。ユーザー視点からも使い勝手が悪く非効率で、必要とされる業務プロセスを支えるシステムとは言えませんでした。

本プロジェクトは、旧来システムからGuidewire ClaimCenter©へのデータ移行、そしてECFライトバック(ロンドンマーケットで取り扱われている損害保険金請求事案の共通データプールを参照できる機能)を有効化することで、CMS(損害事案の管理システム)から直接事案の処理を実行可能にすることが目標に設定されました。

まず最初に、現状把握と要件定義を行いました。業務部門とIT部門のプロセスをマッピングし、データ検証や自動化によって効率的な業務プロセスを可能にするソリューションを提案しました。

主な改善事項:

  • ロンドンマーケット向けの単一プラットフォームの構築 
  • 事案管理の簡略化
  • 損害サービス業務部門人員の柔軟性の向上
  • 研修コストの削減
  • ロンドンマーケット共通データの活用
  • 24時間365日有効な損害データへのアクセス
  • データ入力の重複作業の軽減
  • よりシンプルなITアーキテクチャ
  • メンテナンスコストの削減
  • 洗練されたBI/MI機能(ビジネスインテリジェンス、マーケティングインテリジェンス)
  • 損害データの品質向上
  • 既存の保険契約への事案連携
  • 正確な保険金支払い
  •  

導入ソリューション

LIRMA、ILU BureauおよびECF Writebackを含むGuidewire ClaimCenter©バージョン9のロンドンマーケット対応拡張パックを導入し、併せてSCM(Syndicate Claim Message)とLIMCLM(London Insurance Market Claim Message)の連携を行いました。Guidewire ClaimCenter©、契約管理システム、データウェアハウス、保険会社マーケットリポジトリ(IMR)を統合し、ロンドンマーケットで使用されている文書の取り込みを有効化しました。

本プロジェクトの核は、旧システムからのデータ移行でした。ビジネス検証不足から生じたデータの質の問題を解決することが、特に重要視されていました。データ分析とデータクリーニングを実施し、改善に至りました。

 

プロジェクト課題

  • コロナ禍の制約によりフルリモートでのプロジェクトとなりましたが、10ヶ月という短期間でのリリースを実現することができました。
  • レガシーシステムのデータ品質が不良であったため、効果的なデータ移行を進めるには膨大な量の欠陥を手作業で検証する必要がありました。
  • 世界各国にいるシステムユーザーを対象としたトレーニングや共同作業において、異なる時間帯への対応は多大な労力を要しました。
  • システムリリースに当たっては、時差の都合上、データ移行にかかる時間は最大40時間までという制約がありました。実際に要した時間はおよそ36時間で、非常に厳しい条件下でのローンチとなりました。

 

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さらなる詳細をお知りになりたい場合やご質問がありましたら、下記エキスパートへお気軽にお問い合わせ下さい。

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Jakub Wróblewski – マネージャー兼UKロンドンマーケットプラクティスリード

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Martyna Lis-Roszkowska –  シニアコンサルタント