1. Homepage
  2. -
  3. プレスリリース
  4. -
  5. 損害保険に関する消費者意識調査レポート 「デジタルの力で進化する保険の姿」を公開
損害保険に関する消費者意識調査レポート 「デジタルの力で進化する保険の姿」を公開
5月 25, 2023

保険業界のDXをビジネスアドバイザリーとシステム導入の両輪で支援するソラーズコンサルティング株式会社(本社:ポーランド、代表取締役:ミハウ・トロヒムチュク、以下ソラーズ)はこの度、ヨーロッパ4カ国で3,600名を対象に実施した、損害保険に関する消費者意識調査の結果をまとめたレポート「デジタルの力で進化する保険の姿(原題:Digital Empowerment in Insurance)」を公開しました。これからの保険には、包括的なデジタルサービスへの需要が高まりつつあります。デジタル化には、オンライン自己完結型のサービス拡充だけでなく、代理店やコールセンターなど対人チャネルにおける顧客接点の質向上をもたらすことが期待されています。

保険会社と顧客との関わりは、従来代理店やブローカーが顧客窓口の中心を担ってきました。しかし、近年のデジタル化の進展は、顧客体験のあり方やニーズに顕著な影響を及ぼしています。様々な顧客接点におけるデジタルサービスへの需要高まりが予測されています。ソラーズは、世界有数のグローバルリサーチ企業IPSOS社の協力のもと、ドイツ、フランス、イギリス、ポーランドの4カ国で、一般消費者を対象に損害保険に関する意識調査を実施しました。調査結果からは、各国でポータルやモバイルアプリなどのデジタルチャネルを好む傾向が見られました。例えば、ポーランドでは、保険加入を乗合代理店やブローカー経由で行うのが主流ですが、本調査では、保険会社のポータルやアプリの利用度がそれと同等の数値を示しています。ドイツと英国においてもポータルやアプリ経由での保険加入は2位の回答率を獲得しています。

ソラーズのパートナー、アンジェイ・ワフは次のようにコメントを寄せています。
「代理店やブローカーは数十年にわたり、顧客にとって最も重要な接点でした。しかし、デジタル化によって顧客の期待は大きく変化しました。デジタル変革がもたらす可能性を認識し、オムニチャネルモデルに投資する動きが、多くの保険会社で見られるようになってきました。とはいえ現実には、システムの制約等が足枷となり、市場のニーズに合った早さで充実したサービス提供が実現可能となるには、まだ多くの課題があるようです。」

保険金請求の手続きには、保険加入時よりも対人チャネルが好まれる傾向にあります。フランス、イギリス、ポーランドでは、人を介し個々の事情に寄り添った対応がオンラインの簡便さよりも重視されていると言えます。また、保険金請求手続きのプロセスにおいて最も重要視するものは4カ国共通「迅速な保険金の支払い」で、「支払い保険金の額」の回答率を上回りました。

ワフはまた、「保険会社は、顧客接点においてよりシンプルかつスピーディーなやり取りを実現する必要があります。AIを始めとしたテクノロジーを駆使した、業務やサービスのオンライン化・自動化が進むにつれ、既存の対人チャネルとどのようにバランスを取りながら共存させていくのか、という問いにも向き合わなければなりません。」と強調します。

レポートでは、全調査から得られたインサイトの他、対象国ごとの調査結果を纏めています。例えばイギリスでは、保険加入に際し、保険比較サイト(45%)や保険会社のポータルやアプリ(40%)を介したオンラインチャネルが最も好まれています。ソラーズのエンタープライズアーキテクト、フベルト・ムウォジャノフスキは、イギリスの特徴について次のように述べます。

「イギリスの消費者は、オンラインサービスの質に対して非常に敏感です。と同時に、人を介したサポートの必要性は依然強く認識されており、それは特に若年層の消費者に顕著です。35~65歳の回答者に比べ18~34歳の回答者の方が、代理店やブローカー、営業支店、コールセンターを媒体とした保険加入への志向が極めて高いことが数値から判断できます。」

デジタル変革に成功している保険会社は、デジタル化されたビジネスモデルへの移行に多額の投資を行っています。デジタルサービスの進化が消費者意識・行動変化に影響を与えることは大いに予想されるため、中期的な観点から、これまで以上にデジタルな顧客接点がビジネスの要となります。今後は、オンラインチャネルと対人チャネルとの統合を可能にするITインフラの構築が促進されるものと予測されます。

レポート全文(日本語)はこちらからダウンロードいただけます。

添付:調査結果の一例